注文住宅の照明はどんなものがよいのか

照明なんて「普通で良い」と思っていた過去の自分

家づくりを始めた2022年秋、私たち夫婦は間取りや外観デザインに夢中で、照明のことなんて正直「後回し」でした。
アパート暮らしが長かったので、「あかるければ何でもいい」くらいに思っていたんです。

ところが、住み始めて2年経った今、「照明にこだわって本当に良かった」と心から思っています。
特に間接照明の効果は想像以上で、友人たちからも「まるでホテルみたい!」と褒められるほど。

今回は、我が家の照明選びで成功したポイントと、実際に住んでみて分かった照明の奥深さについてお話しします。

間接照明の魅力に目覚めたきっかけ

最初は「間接照明って必要?」と疑問だった

設計を担当してくれたインテリアコーディネーターさんから「間接照明を取り入れませんか?」と提案された時、正直「お金かかるし、掃除も大変そう…」と思いました。

でも、夕方に展示場に行く機会があり、その考えは180度変わりました。

夕方の薄暗い時間帯に訪問したのですが、直接照明を点けずに間接照明だけで過ごせるんです。
それなのに全然暗くない。むしろ、包み込まれるような優しい光で、すごくリラックスできる空間だったんです。

「これは絶対に我が家にも取り入れたい!」 その場で夫と顔を見合わせて即決しました。

我が家の間接照明配置作戦

予算の関係で全部屋は無理でしたが、以下の3箇所に間接照明を設置しました:

1. リビングのテレビボード裏

  • テレビの後ろの壁に向けて上向きに照射
  • 電球色のLEDテープライト(調光機能付き)
  • 夜のテレビタイムが格段に快適に

2. ダイニング横の飾り棚

  • 天井に向かって光を反射させるタイプ
  • 温白色で食事の雰囲気を演出
  • 調光を最小にすると、まるでレストランのような雰囲気

3. 主寝室のベッド脇

  • 天井のコーブ照明(窪み部分に仕込み)
  • 就寝前のリラックスタイムに最適
  • 夜中にトイレに行く時の足元灯代わりにも

光の色選びで大失敗した話

最初は「白い光が一番明るそう」と思い込み

間接照明の設置は決まったものの、光の色選びで大失敗をやらかしました。

最初に選んだのは昼白色(白っぽい光)。「明るい方がいいでしょ」という単純な発想でした。
ところが、実際に点灯してみると…

「なんか病院みたい…」

間接照明なのに全然おしゃれじゃない。
むしろ無機質で冷たい印象になってしまいました。急いで電球色(温かいオレンジ系の光)に交換したのですが、交換費用で3万円も余計にかかってしまいました。

「優しめの光」の威力を実感

電球色に変更してからは、まるで別の空間になりました。

  • 夕食後のリビングタイムが格段にリラックスできるように
  • 友人が遊びに来ると必ず「落ち着く〜」と言ってくれる
  • 子供たちも「この明かり好き」と気に入ってくれた

光の色って、本当に空間の印象を左右するんだなと身をもって実感しました。

照明の形状で空間が激変!

スポットライト vs 全体照明の使い分け

間接照明を設置する際、「どんな形で光を出すか」でも悩みました。
インテリアコーディネーターさんから教えてもらった選択肢は、

全体照明タイプ(面発光)

  • 広範囲を柔らかく照らす
  • 均一な明るさ
  • リラックス効果が高い

スポットライトタイプ(点発光)

  • 特定の場所を強調
  • メリハリのある陰影
  • ドラマティックな演出

我が家では、リビングとダイニングは全体照明タイプ、寝室はスポットライトタイプを選択。
結果的に、各部屋に異なる個性を持たせることができました。

実際の効果に驚愕

リビング(全体照明): 家族がゆったり過ごせる癒しの空間
ダイニング(全体照明): 食事がより美味しく見える温かい空間
寝室(スポットライト): ホテルライクなムーディーな空間

同じ間接照明でも、形状によってこんなに印象が変わるなんて思いませんでした。

スイッチ配置の重要性を痛感

高い場所の照明で学んだ教訓

間接照明の多くは天井近くに設置したのですが、スイッチの位置をもっと考えるべきでした。

最初の計画では、各間接照明のスイッチを照明の近くに配置する予定でした。
でも実際に生活してみると

  • リビングのテレビ裏照明:ソファーに座ったまま操作したい
  • ダイニング照明:キッチンからも操作したい
  • 寝室照明:ベッドに入ってから消したい

結局、後から配線を追加して、使いやすい位置にスイッチを増設しました。
追加工事で8万円かかりましたが、毎日使うものなので結果的には良い投資でした。

調光機能付きスイッチの威力

全ての間接照明に調光機能を付けたのですが、これが大正解でした。

: 明るめで爽やかに(調光70%)
夕方: 中程度で温かく(調光40%)
: 暗めでリラックス(調光20%)

手入れのしやすさは想像以上に重要

複雑なデザインは掃除が大変

最初は「せっかくだからデザイン性の高い照明を」と思って、凹凸の多いおしゃれな照明器具を選ぼうとしました。

でも、実際にショールームで「これ、掃除はどうするんですか?」と聞いたら、店員さんが困った顔をして…「年に2-3回は分解清掃が必要ですね」と。

想像しただけで面倒になって、結局シンプルなデザインに変更。実際に住み始めて1年以上経ちますが、月1回のササッと拭き掃除だけで十分きれいに保てています。

LEDテープライトのメンテナンス性

間接照明にLEDテープライトを使ったのですが、これがメンテナンス面でも優秀でした:

  • 発熱が少ないのでホコリが付きにくい
  • 薄型なので隙間の掃除が簡単
  • 寿命が長いので交換頻度が少ない

「実用性とデザイン性の両立」という点で、LEDテープライトは最適な選択でした。

照明がもたらした予想外の効果

電気代の節約にも貢献

間接照明を使うようになって、意外だったのが電気代の節約効果です。

以前のアパート時代は、夜になると各部屋のシーリングライトを全部点けていました。
でも今は、間接照明だけで過ごすことが多くなりました。

LEDの間接照明の消費電力:約10W×3箇所 = 30W
以前のシーリングライト:約60W×3部屋 = 180W

月の電気代で比較すると、約1,500円の節約になっています。
年間18,000円の節約は大きいですね。

家族のコミュニケーションが増えた

これは完全に予想外でしたが、間接照明のおかげで家族がリビングに集まる時間が増えました。

明るすぎないので、自然と会話に集中できるんです。
子供たちも「この電気好き」と言って、以前よりリビングで過ごす時間が長くなりました。

まとめ:照明は住まいの表情を決める重要な要素

2年間住んでみて、照明の重要性を身をもって実感しています。

うまくいったポイント

  1. 間接照明の導入 – 空間の質が格段にアップ
  2. 光の色選び – 電球色で温かみのある空間に
  3. 調光機能 – 時間帯や用途に応じた使い分け
  4. シンプルなデザイン – メンテナンスが楽

改善したいポイント

  1. スイッチ配置 – もっと生活動線を考慮すべきだった
  2. メイン照明 – 最初から調光機能付きにすれば良かった

これから家づくりをする方へのアドバイス

照明は「明るければ良い」というものではありません。
家族の生活スタイルや、どんな空間にしたいかをしっかりイメージして選ぶことが大切です。

私たちも最初は「照明なんて後回し」と思っていましたが、今となっては「照明が我が家の一番のこだわりポイント」と言えるほどです。

もし照明選びで迷っているなら、ぜひ専門家に相談してみてください。
私たちもインテリアコーディネーターさんのアドバイスがあったからこそ、今の満足できる照明環境を実現できました。

照明一つで住まいの印象は劇的に変わります。
皆さんも、ぜひ照明にこだわって、理想の住空間を実現してくださいね。